おろか者だ……なぜって

おろか者だ……なぜって

舞台

 シナリオのジャンルによって、どんな舞台を使うことになるかが決まる、という人がよくいる。おろか者だ……なぜって、そんなことはないからだ。

 聞いてもらいたい。どんな馬鹿でもトランシルヴァニアのじめじめした城を舞台にしてなら、恐怖もののシナリオを書くことができる(ぼくも書いた)。しかし、考えてみてほしい。現在のニューヨークやロンドン、パリや東京やマドリッドみたいなところを舞台にしたほうが、どんなに素晴らしい恐怖ものが書けるかを。

 表面に見えているものの背後まで考えに入れれば、どこを舞台にしようと、どんなシナリオでも書けるんだ。『宇宙大作戦』のエピソードのひとつで、カークとスポックが、ゴールドラッシュにわくアリゾナの町トゥームストーンで悪漢を撃ち殺すシーンがあったのを覚えている。どうしてそうなったのかは忘れたが、西部劇にしてはどえらい話だ。

 とにかく、どこを舞台にしようと、どんなシナリオでも書けるというわけだ。

J・H・ブレナン 本田成二訳『モンスター・ホラー・ショウ』社会思想社教養文庫