ですぞ

ですぞ

論語 里仁第四より

顚沛にも必ず

 里仁第四(67~92)

71 子曰。富与貴。是人所欲也。不以其道得之。不処也。貧与賤。是人之所悪也。不以其道得之。不去也。君子去仁。悪乎成名。君子無終食之間違仁。造次必於是。顚沛必於是。

(訓)子曰く、富と貴(たっと)きは是れ人の欲する所なり。其の道を以て之を得しにあらざれば処(お)らざるなり。貧と賤しきとは是れ人の悪む所なり。其の道を以て之を得しにあらざらば去らざるなり。君子は仁を去りて、悪(いず)くにか名を成さん。君子は終食の間にも仁に違うなく、造次にも必ず是においてし、顚沛にも必ず是においてす。

(新)子曰く、財産と地位とは誰しも人の欲しがるものだ。しかし当然の結果としてころがりこんだものでなければ、守る価値がない。貧乏と下賤は誰しも人の嫌うものだ。しかし当然の結果として落ちこんだものでないと思えるなら、無理にはい上ろうとしないでもよい。諸君は仁に志す修養の実をすてて、何の名誉だけを求められようか。諸君はふとした食事の間も修養を忘れないでいてほしい。咄嗟の場合にも、まさかの際においてもですぞ

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫

論語 憲問第十四より

己を脩むるに敬を以てす

 憲問第十四(333~379)

377 子路問君子。子曰。脩己以敬。曰。如斯而已乎。曰。脩己以安人。曰。如斯而已乎。曰。脩己以安百姓焉。脩己以安百姓。堯舜其猶病諸。

(訓)子路、君子を問う。子曰く、己を脩むるに敬を以てす。曰く、斯の如きのみか。曰く、己を脩めて以て人を安んず。曰く斯の如きのみか。曰く、己を脩めて以て百姓を安んぜん。己を脩めて以て百姓を安んずるは、堯舜も其れ猶おこれを病めり。

(新)子路が修養の目標たる君子の如何なるものかを尋ねた。子曰く、己れを正しく保って謹慎を失わぬ人だ。曰く、ただそれだけのことですか。曰く、己れを正しく保てば、自然に周囲の人たちの心を平和にすることができる。曰く、ただそれだけのことですか。曰く、己れを正しくすれば、最後には天下の百姓の心まで平和にすることさえ可能では無かろうか。天下の百姓の心を平和にすることは、堯舜のような聖天子にとってさえ、容易ならざる難事業であったのですぞ

宮崎市定『現代語訳 論語』岩波現代文庫
現代語訳 論語 (岩波現代文庫)

現代語訳 論語 (岩波現代文庫)

* はてなダイアリーキーワード:ですぞ