ふんぐるい

ふんぐるい

クトゥルー

Ph'nglui mglw'nafh Cthulhu R'lyeh wgah'nagl fhtagn!


クトゥルー神話の神神

クトゥルー

 来たるべきもの ルルイエの支配者


 水の精の首領クトゥルーは、スペイン統治以前のペルーのケチュア=アヤル族によって、闘いの神ウイツィロポクトリとして崇拝され、また太平洋全域で海の神としてあがめられ、アトランティスのポセイドンをはじめとする海の神神の原形である。イオドや燃えあがるものヴォルヴァドスとともに、原始ムー大陸で最初の人類に崇拝された。氷河期にクトゥルーとともに他の星から到来した不死の生物が棲む、オクラホマ州カド郡地下の洞窟世界、青く輝くクン=ヤンの住民にも知られている。蛸の頭部を備え、その顔はのたうつ触腕の塊で、鱗におおわれるゴム状の体をもち、四肢には長い鉤爪があり、細長い翼がふくれあがった胴に付属している。かつて旧支配者の大都市であり、『ルルイエ異本』発祥の地である、海底に水没したルルイエの石造都市に幽閉され、父なるダゴンと母なるヒュドラにみちびかれる長寿の無尾両棲類、深きものどもに仕えられ、まもられている。人間のなかにいる下僕たちはクトゥルー教団を組織して、クトゥルーを崇拝し、クトゥルーをなすすべもない死の眠りにとらえる旧神の印から解放しようと、たえまなくこころみている。


 そは永久に横たわる死者にあらねど

 測り知れざる永劫のもとに死を超ゆるもの


 『ネクロノミコン』にある右の二行聯句は、『ルルイエ異本』にある有名な一節「ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるう るるいえ うがふなぐる ふたぐん」(これは人類誕生以前のルルイエ語で、「ルルイエの館にて死せるクトゥルー夢見るままに待ちいたり」という意味をもつ)と同様、クトゥルーの最終的な帰還を意味している。ミスカトニック大学付属図書館に保管されているラバン・シュリュズベリイ博士の不完全な未完の原稿、『ネクロノミコンにおけるクトゥルー』は、クトゥルーとその教団に関する研究書である。

大瀧啓裕編『クトゥルー』1 青心社