エルフの名前

エルフの名前

エルフの名前

 エルフには一つではなく、三つの名前がある。それぞれは、エルフの長い一生のなかで、ちがった役割を果たす。まず、”ふつうの名”があり、ほとんどの場合、とくに他種族には、この名で知られる。この名前はあまり飾ったものではなく、アッシュ(とねりこ)、ヘイゼル(はしばみ)、ウィロウ(やなぎ)などのように、植物や動物からとられたり、レッドスウィフト(あかいあまつばめ)、ホークアイ(鷹の目)のように、あだ名のようなものもある。二つ目の名前は”エルフの名”でエルフ内の者にはこの名前で知られる。これはふつう、姓と名からなる。たとえば、レッドスウィフトはほかのエルフには、ラーレル・アノーリエンとして知られている。三つ目は”真の名”で、女神だけが知っている名前であり、それを通じてエルフの魔法は呼び出される。エルフたちは、真の名を知っていれば、あらゆるものを操作できると信じていて、そのため、ほかの生き物に自分の真の名を決して明かそうとしない。真の名がどんなものかは知られていない。

M.ガスコイン編安田均訳『タイタン』社会思想社