サク

サク

火星のプリンセス (1965年) (創元推理文庫)

火星のプリンセス (1965年) (創元推理文庫)

タルス・タルカスがわたしのほうに進みでて腕を一本さしのべた。こうしてわれわれは、それ以上なんの師匠もなく広場へとすすんだ。むろんわたしは一同が広場へでた理由を知らなかったが、まもなく明らかになった。彼らはまず「サク」ということばを何回となく繰り返した。それからタルス・タルカスが数回おなじことばを繰り返して跳びあがって見せた。そして、わたしにむかって、「サク!」といった。彼らがわたしにないをさせたがっているのかのみこめたので、わたしはからだをぐっと引きしめて「サク」した。四〇メートルは優に越すほどのみごとな跳躍だった。それに今度は平衡を失って倒れたりせずに、すっくとおり立った。つづいて七メートルから一〇メートルの軽い跳躍を繰り返して、少数の戦士たちがたむろしているところへもどった。

E・R・バローズ 小西宏訳『火星のプリンセス』創元推理文庫