サムじいさん

サムじいさん

サムじいさん

サムじいさん

 人間 身長一七五センチ 体重六四キロ 年齢五二歳

 戦闘能力〈劣等〉

 魔法能力〈普通〉、C4とC8を使う。あるいは、〈最高〉でC1からC8を使う。

 サムじいさんの外見は、七八歳ぐらいに見えます。上はまっ白で、白いあごひげをはやし、やせていて、まるで老人のように見えるのです。サムじいさんは、パン屋の雑用(パン焼きがまにまきをくべたり、掃除したり)をしていますが、主な仕事はケーキに砂糖ごろもをかけることです。砂糖ごろもでケーキに凝った飾りをつける腕前は、みごとなものです。

 サムじいさんは、かつては「九つの地獄の主、サマール」を名のり、驚異的な神秘の力を持った邪悪な魔術師でした。ライバルの魔術師一〇人の攻撃に遭い、記憶を破壊され、一度に三〇歳ほども老け込んでしまったのです。必死で瞬間移動の呪文を唱え、何とか命だけは助かりましたが、その後街をさまよっているところを、デュラトン=ロールズにひろわれたのです。ロールズ一家は、彼を気の毒に思って家に迎え入れたのですが、ケーキに砂糖ごろもをかけるのがたいへん上手であることがわかり、大喜びすることになりました(これは長年、複雑な呪文を書き続けてきたおかげです)。サムは、その穏やかな物腰で、家族みんなから愛されるようになりました。サムじいさんの過去は、家族の誰もまったく知りません。前述したサムの魔法の能力には、二種類の評価が書かれています。一つは、まったくの偶然で、彼が以前持っていた魔法の力が発揮された場合の評価(〈普通〉という評価のほう)、もう一つは、サムが記憶を完全に取り戻したときに、どれほどの力を発揮するかという評価です。

 サムじいさんは、自分が魔術師であることに気づいていません。ですから、時々、火打ち石も火打ち金も使わないでパン焼きがまに火をつけたり、ケーキを宙に浮かせて棚にのせたり、実際に歩いていないのにお気に入りの居酒屋に着いてしまったりしたときは、年のせいで何か思いちがいをしているのだろうと考えます。非常に変わった夢を見ることもしょっちゅうで、奇妙な客が彼の掘っ立て小屋に現れることさえありますが、酒を飲んだため幻覚を見たのだろうと気にもとめません。サムじいさんは大酒のみではありませんが、酒が大好きなのです。サムは、少しばかり無口ではありますが、未亡人や娘たちを心から愛し、いつも忠実でいます。

L.ディティリオ編安田均訳『シティブック』社会思想社