シーン(ダンジョニア)

シーン(ダンジョニア)

ダンジョニア・アドベンチャーⅠ 「魔術師の塔」

ディレクターへのイントロダクション

私たちは、撮影すべきシーンをたくさん用意しています。それぞれのシーンは同じ書き方をしてあるので、あなたが自分がしなければならないことを正確に知ることができます。撮影を開始するまえに、台本全体に目を通しておくことはのちのち役に立ちますが、何か小道具を用意しようというのでもないかぎり、このような短いセッションは、多分ぶっつけ本番で進めていくことができるはずです。この方法は、また、話が進展していくにつれて、あなたにもヒーローたちと同じように何が起こっているのかを発見する楽しみを与えてくれます。


 新たなシーンになるたびに、まずその場所について書いてあります。ふつうは、シーンの幕開けの場面で、想像上のカメラから見たシーン描写にしてあります。あなたは、そこに書かれていることを読み上げて、ヒーローたちが見えるものを思い描く助けにします。あなたが直接読み上げる部分は、このようなゴシック体で書かれています。ミニチュアを使うのが好きな人のためにマップが用意されているところや、ヒーローたちに見せることができる絵が用意されているところもあります。


 次に来るのがプロットの要約です。短い二、三行の文で、これはあなたが、そのシーンで起こりそうなことをすぐに知るためのものです。


 その次が登場人物リストです。いいえ、ヒーローたちではありません。ここでは、すべての端役やエキストラたち、そして悪漢たちを示します。それらのほとんどは、一、二シーンに登場するだけで、だからこそ、これらの役をプレイヤーたちに割り当てないのです。ということは、だれがこれらのキャラクターを演じるのでしょう? お忘れですか?――あなたなのですよ。えっ? 楽しいのは全部、ヒーローたちを演じているお友達のほうじゃないかって?そうですね、でもあなたはプレイヤーたち以上に仕事をしているわけですから、取っておきのいい役が用意されています。それが悪漢たちです。彼らは最後には殺されてしまうかもしれませんが、それでも演じていてすごく楽しいものです。


 次が小道具についてです。これらはこまごまとしたもので、決して話に不可欠なものではありません。しかし、少しばかり活気を与える助けになり、よい雰囲気を醸し出してもくれます。これらには少々準備が必要でしょう。ですから、小道具を使いたいのならば、撮影を始めるまえに確実に準備を整えてください。


 そして、アクション! の掛け声がかかります。アクション! の部分が複数あるシーンもありますが、そのなかのいくつかは、登場人物があることをしたときにのみ起こるようになっています。それぞれでは、起こることになっている事柄、そしてそれを確実に起こす方法(プロットとともに都合よく動いてくれるヒーローなんていないでしょう?)、いつそのシーンの一部を終え、次の節や脇道に移るかについて示してあります。また、台本の内容――特に悪漢の一人がすごくドラマチックなセリフを吐くとき――についての提案もあります。


 もちろん、時には、登場人物のメンバーがあまりにも愚かな(あるいはすばらしい)ことをして、プロット全体がひっくり返ってしまいかねないようなことにもなるでしょう。このために、各シーンには何か問題でも? という部分を設けて、元へ戻すための助けになるようにしています。


 最後にあるのが、次のシーンは……、という指示です。映画では、ヒーローたちがある場所から別の場所へと旅するのを見物したり、何もしないで傷が治るのをじっと待って、何年も無駄にする必要はありません。しかし、時には、前のシーンの場所から次のシーンの場所へどうやって移動したのかを説明しなければならない場合があります。また、登場人物がある程度の行動の自由を持っているので、複雑さが加わります。このため、登場人物たちがシーンをひとつ残らず使うようなことにはならないでしょう。この節では、次に撮影するべきシーン、そして、ヒーローたちがどのようにしてそこへたどり着くかを示しています。


 用意はいいですか? サイコロの準備はできましたか? プレイヤーたちは、みんなリラックスして集中していますか? それでは始めましょう。シーン1……カメラを回します!

M.ガスコイン P.タムリン著 安田均訳『ダンジョニアRPG』(上)社会思想社