ラピュタ

ラピュタ

 空飛ぶ島の名前。

第三篇
第二章

 我輩が飛島*1、あるいは浮島と訳しているこの言葉の原語は、「ラピュタ」'laputa' というのだが、正しい語源はついにわからなかった。古い廃語で、'lap' というのは「高い」という意味、一方「ウントゥー」'untuh' は「統治者」ということであるから、一説には「ラプントゥー」'lapuntuh' が崩れて「ラピュタ」'laputa' になったものだともいう。だがどうも我輩にはあまりに牽強付会のようで承認できない。その代りには我輩自身の推測として、学者たちに次のような解釈を提唱してみた、すなわち「ラピュタ」はほとんど「ラップ・ウーテッド」'lap outed' というに等しい、この場合「ラップ」は太陽の光線が海水に躍ること、「ウーテッド」は翼である。もっとも我輩は別にこの解釈を押しつけるのではない、すべては賢明なる読者諸君の判断にお任せする。

スウィフト 中野好夫訳『ガリヴァ旅行記』新潮文庫
ガリヴァ旅行記 (新潮文庫)

ガリヴァ旅行記 (新潮文庫)

*1:207 飛島あるいは浮島と云々……――以下、当時有名な古典学者リチャード・ベイントリー(1662―1742)一派を諷したもの。

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