ルルイエ異本

ルルイエ異本

ルルイエ異本』(ラブクラフト)

 本書はおそらく、旧支配者の首領にあたるクトゥルーがルルイエという海底の半宇宙的都市で夢を見ながら横たわっているので、クトゥルー崇拝に関係したものだと思われる。ダーレスの『永劫の探究』によれば、ルルイエはニュージーランドの沖合、東インド諸島の南、南緯四九度五一分、西経一二八度三四分の太平洋の海底に存在するとされる。地図を見れば、いかにもニュージーランドの沖で、南極からほど遠からぬオーストラリアとチリのあいだ、南太平洋のまっただなかに位置していることがわかる。またダーレスの『ホーヴァス・ブレインの物語』によれば、ポナペ沖と記されているが、もしも先の緯度と経度を正しいものとしてうけいれるなら、この「沖」という言葉は四千マイルの範囲をもつことになる。クトゥルーはこのルルイエで魔力による眠りに落ちこみ、旧神の印が効力を失って目ざめる日が訪れるまで、その日を待ちつづける無尾両棲類の深きものどもにかしずかれている。

 本書は人類誕生以前の言語、ルルイエ語で記されていると思われる。ミスカトニック大学付属図書館をはじめ、何人もの個人が所蔵している。

リン・カーター「クトゥルー神話の魔道書」大瀧啓裕編『クトゥルー』2 青心社
クトゥルー〈2〉 (暗黒神話大系シリーズ)

クトゥルー〈2〉 (暗黒神話大系シリーズ)