上論

上論

上論下論――論語の当初の形はわからない。いつできたものかもわからない。孔子のことを書いた数多くの書物のなかで最も古いものではあるらしい。「論語」という総題はあとでだれかがつけたものである。現在ある論語は全部で二十篇ある。これにそれぞれ、各篇の最初のあたりにある語をとって、「学而第一」「為政第二」……「子張第十九」「堯曰第二十」と篇名をつけてある。「郷党第十」までの前半十篇を「上論」(「論語の上」の意)と言い、これはわりあい古くて信用できそうだということになっている。「先進第十一」以下の後半十篇を「下論」と言い、あまりアテにならないとされている。論語よりずっとあとにできた史記や左伝等々は、もっとアテにならないわけである。

高島俊男『本と中国と日本人と』ちくま文庫
本と中国と日本人と (ちくま文庫)

本と中国と日本人と (ちくま文庫)