刊行の言葉「読みなおす日本史」吉川弘文館

刊行の言葉「読みなおす日本史」吉川弘文館

刊行の言葉

 現代社会では、膨大な数の新刊図書が日々書店に並んでいます。昨今の電子書籍を含めますと、一人の読者が書名すら目にすることができないほどとなっています。ましてや、数年以前に刊行された本は書店の店頭に並ぶことも少なく、良書でありながらめぐり会うことのできない例は、日常的なことになっています。


 人文書、とりわけ小社が専門とする歴史書におきましても、広く学会共通の財産として参照されるべきものとなっているにもかかわらず、その多くが現在では市場に出回らず入手、購読に時間と手間がかかるようになってしまっています。歴史の面白さを伝える図書を、読者の手元に届けることができないことは、歴史書出版の一翼を担う小社としても遺憾とするところです。


 そこで、良書の発掘を通して、読者と図書をめぐる豊かな関係に寄与すべく、シリーズ「読みなおす日本史」を刊行いたします。本シリーズは、既刊の日本史関係書のなかから、研究の進展に今も寄与し続けているとともに、現在も広く読者に訴える力を有している良書を精選し順次定期的に刊行するものです。これらの知の文化遺産が、ゆるぎない視点からことの本質を説き続ける、確かな水先案内として迎えられることを切に願ってやみません。

 二〇一二年四月

                              吉川弘文館

「読みなおす日本史」吉川弘文館