十二勇士

十二勇士

1 十二勇士

 シャルルマーニュの騎士のなかでは特別名高い人が十二人おり、十二勇士と呼ばれている。彼らはたがいに対等につき合い、また大帝とも友達に近いごく親密な関係にあった。ここの名はロマンス作者によって多少の違いはあるが、最もよく知られているものをあげれば次のようになる。

(1)オルランドまたはロラン(前者はイタリア語形、後者はフランス語形)――シャルルマーニュのお気に入りの甥

(2)リナルド――モンタルバンの人、オルランドのいとこ

(3)ナモ――バイエルン公

(4)サロモン――ブルターニュ王

(5)チュルパン――大司教

(6)アストルフォ――イングランドの人

(7)オジエ・ル・ダノワ――デンマークの人

(8)マラジジ――魔法使い

(9)フロリマール――オルランドの友人

 ほかにも時に勇士と呼ばれる人がおり、数も必ず十二とは限らない。シャルルマーニュ自身もその一人に数えなければならないだろう。またマガンツァのガン(またはガヌロンあるいはガノ)は、ほかの勇士全部に対して裏切り行為を働いた敵だったが、シャルルマーニュは彼に完全にだまされて、十二勇士のリストに加え高く評価していたのだった。

トマス・ブルフィンチ/市場泰男訳『シャルルマーニュ伝説』講談社学術文庫

 不定ながらも十二人としたのは「十二使徒」に合わせたのかもしれません。裏切りのガンが十二人に入れられるのもそのためであると考えるならつじつまが合います。