双声

双声

漢詩を作る (あじあブックス)

漢詩を作る (あじあブックス)

双声

 畳韻が韻母のそろう語であるのに対し、双声は声母がそろう語である。

  玲瓏(lei lou すきとおるさま) 惆悵(chiu chou がっかりするさま) 参差(しんし)(sin si ふぞろいのさま)

「ラリルレロ」や「サシスセソ」が頭にそろう語である。日本の漢字音でだいたいのところはわかるが、厳密には辞書を引かねばならない。

 右の例もみな擬態語で、音に意味があり、一つ一つの字に意味はない。しかし、字に意味を持つ双声語もある。

  柳緑 柳はみどり

  花紅 花はくれない

 これは、 liu liok ka kouと声母がそろい、意味もある。熟語の例、

  困苦(kon ku くるしい)  文物(bun butsu 書籍書画など)

  黄昏(kou kon たそがれ) 清秋(sei siu 清らかな秋)

 有名な詩で、双声を用いた例を挙げる。


涼州詞涼州詞  王翰
葡萄美酒光杯葡萄の美酒 夜光の杯
欲飲琵琶馬上催飲まんと欲して琵琶馬上に催す
酔臥沙場君莫笑酔うて沙場に臥すとも君笑うこと莫かれ
古来征戦幾人回古来征戦幾人か回る
石川忠久『漢詩を作る』あじあブックス 大修館書店

 双声の語は「琵琶 fifa」