布告人ギルド

布告人ギルド

布告人ギルド

 街は、情報によって栄えています。情報をひろめるのは、”布告人ギルド”の仕事です。

 ”布告人ギルド”のある、がんじょうな赤れんが造りの建物は、街の大君主の宮廷からほど近い目抜き通りにあります。この建物から毎日大勢の若者たちが出てきて、路地へと入っていき、鐘を鳴らしながらさまざまな情報やおもしろそうな話を、街の住人たちに大きく生き生きとした声で知らせて歩きます。

 このギルドは街が後援しており、税金を集める日どりと金額を知らせることが、主要な役目の一つとなっています(布告人たちは、この仕事が好きではありません。この知らせを聞いて、街の住人が荒れることがあるからです。)。”布告人ギルド”は、新しく法律が制定されたときや、宮廷でのできごと(舞踏会や、結婚式、懐妊、出産、死亡など)も知らせます。このようにして、人々が”街の情勢”に通じていられるようにしているものです。

 ギルドは、このような公式の情報をひろめるほかに、住民や旅行者から活発に話題を収集しています。情報提供者に対しては、その情報の価値に応じて報酬が支払われます。このような非公式の情報は、ギルドの長であるバクスターヴィング・ウォルドルフと、彼の書記長をつとめるドワーフの”アンド”が、正確な情報かどうかを注意深く確かめます。個人が布告人に依頼して、情報をひろめてもらうこともできます。料金は、金貨一枚から一〇枚です(知らせる内容の長さと、何回くりかえすかによってちがいます)。個人が広める情報は、街の商人の特別売り出しの知らせや、結婚や誕生、求人、死亡の知らせ、果たし合いの挑戦者募集など、さまざまです。

 ギルドには約四〇人の布告人がおり、そのほとんどが若者です。布告人たちは早朝から日暮れごろまで通りを歩きまわっています。ギルドには通常の布告人に加えて、AP(緊急伝達班)と呼ばれる特殊な班があります。その役目は、通りを走りまわって緊急の知らせ(街が攻撃されたとか、高位の役人が死んだとか、大犯罪が起こったなど)を人々に伝えることです。APの隊員たちは、ギルドに戻ると、その情報を普通の布告人たちにも伝えます。ギルドは一日中開いていて、情報や知らせを受けつけます。夜には”アンド”やAPの一人が、情報を受けつけます。

(中略)

 ”布告人ギルド”は、ゲームマスターにとって非常に便利です。掲示板に知らせを張りだせば、冒険者をさまざまな冒険の旅や、仕事や、任務につかせることができます。また逆に、冒険者が、料金を払って自分の希望を街中に知らせて、仕事の声がかかるようにすることもできます。ゲームマスターは、ギルドを通して、街全体で起こっている出来事の情報を、プレイヤーに与えることができます。またギルドを使えば、プレイヤーがゲームマスターの意図した場所に行くように”動機”を与えることができます。鎧の”安売り”があれば、戦士は興味を引かれて鎧の店を訪れるでしょう。同様に、魔法の品物の競売があれば、魔術師の興味を引くことでしょう。今後、どろぼうはみな手を切り落とすというおふれが出れば、凶悪な盗みの計画を、思いとどまらせることができるかもしれません。ギルドを、毎日の新聞のようなものを考えてください。そうすれば、ありとあらゆる冒険で、ギルドを活かすことができるでしょう。

(テサロンキ・カノタス)

L.ディティリオ編著安田均訳『シティブック』社会思想社