歌の父母

歌の父母

安積山(あさかやま)難波津(なにわづ)

山の名、津の名だが、『広辞苑』によれば、それを詠みこんだ「安積山影さへ見ゆる山の井の浅き心をわが思はなくに」と「難波津に咲くやこの花冬ごもり今は春べと咲くやこの花」の歌も指す。『古今和歌集』仮名序に両歌は手習いの初めに学ぶ「歌の父母」とあり、この二首を表裏に書きつけた八世紀中ごろの木簡が出土したことは記憶に新しい。

「『広辞苑』を散歩する」1 岩波文庫しおり