法螺吹

法螺吹

三三 法螺吹

 国ではいつも、もっと男らしくやれ、とケチをつけられていた五種競技の選手が、ある時海外遠征に出て、暫くぶりで戻ってくると、大言壮語して、あちこちの国で勇名をはせたが、殊にロドス島では、オリンピア競技祭の優勝者でさえ届かぬ程のジャンプをしてやった、と語った。 もしもロドスへ出かけることがあれば、競技場に居合わせた人が証人になってくれよう、とつけ加えるとその場の一人が遮って言うには、

 「おい、そこの兄さん、それが本当なら、証人はいらない。 ここがロドスだ、さあ跳んでみろ」

 事実による証明が手近にある時には、言葉は要らない、ということをこの話は説き明かしている。

中務哲郎訳『イソップ寓話集』岩波文庫
イソップ寓話集 (岩波文庫)

イソップ寓話集 (岩波文庫)