運命点

運命点



プレイヤー

運命点と幸運点

 すべてのプレイヤー・キャラクターが、いくばくかの【運命点】(第二章『キャラクターの創造』を参照)を持ってゲームを開始する。【運命点】はPCが背負う宿命をあらわし、だからこそPCはオールド・ワールドの平凡な民から一頭地をぬいた存在なのだとも言える。キャラクターは、【運命点】を使うことで負傷や病気、毒などによる死を回避できるが、費やされた【運命点】は、永遠に失われる(ただし、キャラクターによる英雄的行動への褒賞として、新たに【運命点】が付与されることもありうる)。GMが【運命点】をどう管理するべきかの指針については、第9章『ゲームマスター』を参照のこと。


 キャラクターの【運命点】(【運】)は、上記に加えて、彼が持ちあわせる幸運点の量も左右する。幸運点は【運命点】と連動するが、2つの点において根本的に異なる。第一に、幸運点は更新可能な資源である。キャラクターは毎日、【運命点】能力値と同等の幸運点を消費してよい。第二に、幸運点は【運命点】ほど強力ではない。幸運点は、ちょっとしたことに幸運が味方する状況をあらわしており、キャラクターの運命の一部分を占めると見なされる。


 幸運点は、以下の4通りのいずれかで使うことができる。

キャラクターは1幸運点を費やして、失敗した能力値テストか技能テストの再ロールが行なえる。これはどんな状況でも行なえるが、戦闘では使えない。延長技能テストを試みる場合にも、使える幸運点は1点のみである。


キャラクターは1幸運点を費やして、受け流しか回避かを1回追加で行なえる。それにより、受け流しや回避は1ラウンドに1回しか行なえないという通常の制約を免れることができる。


キャラクターは1幸運点を費やして、イニシアチブ・ロールに1d10を追加することができる。言い換えれば、キャラクターは戦闘開始にあたって2d10をロールして、結果を【敏捷力】にくわえた数値を、イニシアチブ決定に使用できるわけだ。


キャラクターは1幸運点を費やして、自分のターンに1回の半アクションを追加で行なえる。

 キャラクターの幸運点は、毎日、1日が始まった時点で計算される。

『ウォーハンマーRPG 基本ルールブック』ホビージャパン

ゲームマスター

運命点

 本書の前半ですでに述べたように、プレイヤー・キャラクターは、平均的なエンパイアの住民からは飛びぬけた存在である。冒険生活を送るのに必要な勇敢さをもっているだけですでに非凡だが、さらに彼らを非凡たらしめるのが、【運命点】だ。


 【運命点】をもつキャラクターは、宿命を背負っている。つまり、偉大な道筋を歩むべく神から定められた存在なのだ。宿命が何に行き着くのかは謎であり、栄光や富裕、満足感がもたらされる保証はない。とはいえ、PCには確かに何かが備わっており、おかげで平凡な人物であれば死を免れえない危険な状況でも生き延びることができるのだ。そうした宿命は【運命点】であらわされ、プレイヤー・キャラクターに、まるですぐれた冒険小説の一場面のような、奇跡的な脱出を可能ならしめる。ウォーハンマーの冒険者たちは、落石群を髭の差でかわし、崖から足を滑らせても都合よくひと塊の藪の上に落ちて助かり、矢の雨が降るなかを無傷で走りぬけ、といったことができる。命からがらの脱出や運命の捻じ曲げが可能になることで、プレイヤーは積極的にキャラクターの命を危険にさらすことができ、ゲームもよりスピーディで興奮にみちたものとなる。


 第6章『戦闘、ダメージ、移動』を見れば自明だが、オールド・ワールドでは戦うことは、ひどく厄介な所業だ。理由の一端は、もしも戦闘がつねに手軽な解決方法であるのなら、プレイヤーはより不確実な方法、たとえば考えることなどは二の次にするに違いないからだ! 言うまでもなく、戦闘以外に打つ手がないという状況は存在するし、日常的な状況であっても、プレイヤーが用心というものを学んでいながらキャラクターはいともあっけなく殺されてしまう。【運命点】は軽率なプレイヤーに2回目のチャンスを、そして不運なプレイヤーには五分五分のチャンスを与えてくるものだ。プレイヤーたちがあらゆる状況で剣を振り回して突進することにこだわるのなら、たちまち【運命点】を使い果たしてしまい、永遠の死が手厳しい不可避性をもってその後につづくことは言うまでもない。ほとんどのプレイヤーは、遠からずルールの精神を理解して、猪突猛進が必ずしも得策ではないことを自覚するだろう。

『ウォーハンマーRPG 基本ルールブック』ホビージャパン