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『暗黒城の魔術師』

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 死んでしまった。棺桶の釘のように死んでいる。もはや、故ピップになってしまった。ここを黒枠で囲っておくとよかろう。またここへ舞い戻ってこないともかぎらないから。

 この冒険に旅立った人の大半は、遅かれ早かれ最初の何回かは死ぬ。そう落胆するんじゃない。置きざりにされた森の入口へ戻ってやりなおすことだ。運がよければ王妃を救い出すこともできる。それに一回目に殺した怪物や悪党を、次は無視できるんだ。今度出くわすときは、奴らは無害な幽霊や幻になっている。

 森の入口へ戻ったなら、もう一度サイコロをふって、生命点を決めなければならない。生命点がゼロのまま冒険を再開するなんて、あまりにも無謀だ。

 ここで、秘訣をひとつ教えてやろう。地図を描いていくことだ。とくに、魔術師アンサロムの暗黒城の地図をな。次の冒険のときは、かならず役に立つはずだ。

 出くわした相手も地図に書きこんでおくといい。きっと、剣をもう一本手に入れるほどの効果があるだろう。いや、剣どころか火の玉をもうひとつ手に入れるほどの効果があるにちがいない。

 さあ、森の出発点へ戻れ、ピップ。運がよければ、ふたたびここで会うことはあるまい。

J・H・ブレナン/真崎義博訳『暗黒城の魔術師』二見書房

『ドラゴンの洞窟』

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 静かに目をあけると……どこかでオーケストラが、『葬送行進曲』をおごそかに奏でている。ここは……

 水晶の洞窟だ。目をこらすと、マーリンが

 きみを見おろすように立っている。

「死んでしまったのだな……?」

 マーリンはきつい口調でいう。

「そこつ者めが……。もう一度やりなおさねばならんではないか……

 こんどはもっとうまくやるのだぞ。さもないと、わしはいつまでたっても恩給を払ってもらえん。サイコロを二個ふって、わしが教えたとおりにまた金貨を手に入れるんじゃ。その金を使って、装備の品や武器やよろいを買いたすんじゃ。例の一覧表に載っているやつをな。それから、地図の"×"地点からもう一度出発するのだ」

 そういい残すとマーリンは、洞窟の奥へとぶらぶら歩いていく。"近ごろの若者ときたら"とか、ぶつぶつつぶやきながら……

J・H・ブレナン/高橋聡訳『ドラゴンの洞窟』二見書房

『魔界の地下迷宮』

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 ようこそ恐怖の14へ。死とは、こういうものなのだ。

 が、さいわいにも、長時間死んでいる必要はない。

 もう一度、サイコロを二個ふって生命点を決めればいい(ひょっとして前回より高い生命点が得られるかもしれないぞ。そうなったらバンザイだ)。それから、再スタートを切る。ここへ来るように指示のあった場所へは、かんたんに戻れるだろう。前回殺した怪物などはもういないのだから。あるいは未知の道を選んでもいい。これは、きみの冒険なんだ。たとえ死んでいても、すべての決定権はきみにある。

 もし殺された場所が魔界の門のなかであったら、特別な選択が許される。生命点を決めたら、直接65へ飛べるのだ。あるいは、前回通っていないセクションを探検してもいい。ひょっとしたら役に立つものを発見できるかもしれないぞ。

J・H・ブレナン/真崎義博訳『魔界の地下迷宮』二見書房

『七つの奇怪群島』

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 やられちまったな、ピップ……

 過酷な運命に踏みつぶされてしまったんだ……

 疲労こんぱいし、ぼろ布のようにくたばった……

 つまり、きみは死せる冒険者……

 死ぬのも、なかなかおもむきがあるものだ。

 新たに生命点を決めなおし、それからペンキ塗り立てのように新鮮な気分で再スタートがきれるのだから。

 ここへ来たら、あらゆる装備、武器、携帯品、呪文、それに奪い取った戦利品、財宝も、すべて失う。むろん、これは同情に値する。だが、それをどこで奪ったのかさえ覚えていれば、そこへ直行してまた手に入れることができる。

 しかし、これまでの冒険とはちがって、一回目に殺した怪物たちは死んだままではない。生き返っているのだよ。ただし、二回目以降では怪物たちの生命点は半分になっている。闘いはかなり有利になるはずだ。

 さあ、いつまでもくたばっていないで、サイコロを振って生命点を決めなおし、また新たな冒険に旅立つんだ。

J・H・ブレナン/真崎義博訳『七つの奇怪群島』二見書房

『魔獣王国の秘剣』

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 バックグラウンド・ミュージックは、天使の聖歌隊が歌うハレルヤだ(あるいは、酔っぱらった悪魔らが歌う"樽をころがせ"かもしれない)。どっちにせよ、きみは、死・ん・だ・のだ。

 さいわいなことに、永遠に死んだままでいることもない。いましなければならないのは、あらためてサイコロを振って生命点を決めなおすことだ。運がよければ、この前の冒険のときより高い生命点を手に入れられるかもしれない。

 生命点を決めたなら、冒険を再開してもいい。これまでとはちがう決定をし、ちがうルートをたどって冒険をスムーズに進められるはずだ。同じルートをたどる場合、前回仕止めた敵はもうきみを傷つけない(むろん、彼らはまだうろついているが、幽霊に変わっているのだ)。

 死ぬのは愉快なことではないが、たまには趣のあること……。

 ただし、前回獲得した戦利品は失ってしまい、E・Jだけを手にして、旅立てばならない。

 まあ、そう落胆することもない。

 生命点を決めて、さあ元気に3から出発ッー!

J・H・ブレナン/大久保寛訳『魔獣王国の秘剣』二見書房

『宇宙幻獣の呪い』

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 どうやら、これまでだな、ピップ。完全に息の根を止められちまったんだ。

 だが、いつまでも死んでることはない。サイコロを二個振って、もういちど生命点を決めなおすんだ。そうすれば、お経でも唱えているうちに生き返っているはずだ。

 そして、なにも1から出なおすことはないぞ。どうしても最初から始めたいというのでないかぎり、殺された場所まで戻ってそこからやりなおせばいいんだ。たとえば、グラストンバリーの村で殺されたのなら、そこから出なおせばいいし、城のなかで死んだのなら、城内から始めればいい。長い長い冒険の旅は、これでずいぶん救われよう。しかも、前世では巡り会わなかったものと出くわせる特典もあるのだから、死もまんざら捨てたものではない。

 なに?殺したはずの怪物に出くわしたら、どうするかって?

 だいじょうぶ、おまえとちがって、

 奴らは生き返ったりせんよ。

 そうじゃの、せいぜい奴らの死体に

 つまずいたりせぬようにな。

J・H・ブレナン/高橋聡訳『宇宙幻獣の呪い』二見書房

『幻し城の怪迷路』

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 そうか……ここへ、来てしまったか。

 ……そいつは残念だったな。

 ……だが、いつまでもクヨクヨしていてもはじまらない。

 死後硬直がはじまる前に飛び起きて、もういちど生命点を決めなおすがいい。新たに生命点を決めたなら、死んだセクションへ戻ってもいいし、振り出しへ戻ってもかまわない。どちらにしても、いったん倒した敵は二度と襲ってこないから、安心しろ。が、新たな危険が待ち受けていることに変わりはないぞ。

J・H・ブレナン/真崎義博訳『幻し城の怪迷路』二見書房

『ゾンビ塔の秘宝』

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 なつかしいマーリンのような声が響いてくる。

「ふん、またのこのことやってきおったな。

 怪物の口に頭を突っこんだか?

 勢い込んで落とし穴に跳びこんだのか?

 それとも、毒を食らったか、溺れ死んだのか?

 こんがり焼かれちまったのか、はたまた窒息死したのか……?

 なんいしても、おまえはもう、故ピップとなったのだ。

 じっと目を閉じ、胸の上で手を合わせ、死人らしい顔をして黙っておれ……。

 死人をやっているのに飽きたら、目を開けて手をほどき、もう一度サイコロを振って生命点を決めるがいい。そうしたら、一番初めからでも、殺されたセクションからでもかまわぬから、心を入れかえて冒険をやりなおすのだぞ。」

J・H・ブレナン/高橋聡訳『ゾンビ塔の秘宝』二見書房

『ドラキュラ城の血闘』

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 やれやれ、死んでしまった。ここはもう死後の世界だ。

 しかし汝、悲しむことなかれ。いや、むしろ喜ぶがいい。ドラキュラ退治という事情が事情だけに、天国のさる信頼できる筋から現世へ復帰できる、ありがたいお許しが出たのだ。さあ、胸を張って血液点をもう一度決め直し、時計の針を巻き戻したら、死ぬとき持っていた所持品をたずさえて下界へ戻れ。

 とはいっても安堵は禁物、始末の悪いことに化物どももみな生き返っている、生前の経験を無駄にせず、今度は注意して慎重にコトに当るべし! ……9へ。

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 やれやれ……死んじまった……。

 しかし、嘆くことはない。永遠の命を約束したこのドラキュラ伯爵が約束どおり、ちゃんと生き返らせてくれようぞ。さあ、胸を張って血液点をもう一度決めなおし、死ぬとき持っていた所持品をたずさえて、4へもどるんだ。

 もし一度退治した化物にまた出くわしても、そんなものは幻だ。無視して倒したことにして進め。心を入れかえて、二度とこんな所にもどってくるんじゃないぞ。

J・H・ブレナン/奥谷晴彦・高橋聡訳『ドラキュラ城の血闘』二見書房