蜀犬 日に吠ゆ

1901-01-01

[][]一月一日 たえず偉大な思想に生き はてなブックマーク - 一月一日 たえず偉大な思想に生き - 蜀犬 日に吠ゆ

眠られぬ夜のために〈第1部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第1部〉 (岩波文庫)

一月一日

 たえず偉大な思想に生き、ささいなことを顧みないように努めなさい。これは一般的にいって、人生の多くの苦渋と心配事を最もたやすくのり越える道である。

 最も偉大な、しかも同時に、一般に最もわかりやすい思想は、現在では、キリスト教の形をとる神の信仰である。


 しかし、古い時代から今日まで、いじけた、あまりに偏狭な性質のキリスト教も存在した。これは、キリストの本性とその教えに合致しない、あるいは少なくとも完全には合致しないものであり、実際、そのためにすでに多くの心の立派な、教養の高い人びとが、キリストの教えから遠ざかったのである。

 もしあなたが人生の幸福を心から望むならば、キリスト教を神学や教会主義と取替えてはならない。むしろ、あなたは自分でキリスト教をその源において、すなわち、福音書のうちに、とりわけキリストみずからの言葉のなかに、求めなさい。キリストの言葉と比べられるものは、どんな哲学にも見いだすことができない。

 マタイによる福音書二一、同胞教会讃美歌六七番、六九一番。

 われわれは、ときとして、自分がどんなに強く浄化され、どのような方法で浄化されたいかを、みずから選ぶことができる。しかしそのうちに、品性の純金は、ただ強度の、しかもたびかさなる精煉によってのみ得られるものだということを、はっきり悟にちがいない。

 病気は、それが正しく理解され善用されるならば、心の純化に到達する、手っとりばやい方法である。

 イザヤ書四八の一〇、サムエル記下二四の一三―一六。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第一部 岩波文庫