蜀犬 日に吠ゆ

1901-01-08

[][]一月八日 わたしはこの苦しみを堪え忍ばなくてはならない はてなブックマーク - 一月八日 わたしはこの苦しみを堪え忍ばなくてはならない - 蜀犬 日に吠ゆ

眠られぬ夜のために〈第1部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第1部〉 (岩波文庫)

一月八日

 「(いま)わたしはこの苦しみを堪え忍ばなくてはならない。けれども、いと高き者の右の手が、(やがて)すべてのものを変えてくれるであろう」(詩篇七七の一〇*1)。この言葉を誠実な心で、完全な同意をこめて唱えることのできる者は、すでにおのれの苦悩を越えて、内的平和と安定に達したのである。ストア哲学者が教えるように、ただうわべだけそれに超然としているべきではない――もっとも、実際にはそれさえまれではあるが。

 エレミヤ書一〇の二四、一五の一一―一三、同胞教会賛美歌一七二番。

 あなたが願い求めるすべてのことが、ただちに実現するわけではない。その前に、あなたや他の人びとの内部で、なお多くの者が成長し強化されねばならないし、たとえ恩寵の奇跡によって行われる場合でも、ある程度までは自然の道順を経てそれは行わなければならない。また、あるものを手にいれることだけが、自分の感情にとってかけがえのない主要事ではない。あるものを取得できるという確信、固い信仰は、すでに得られた所有にほとんど劣らぬものである。


 あなたの身の上に最善のことが

 定められてあると固く信じなさい。

 あなたの心が糸安らかであれば、

 すべての悩みを免れよう。


 その時がやって来るならば、

 力づよい助けが突然現れて、

 あなたの愚かな悲しみを、

 思いがけなく恥じ入らせよう。

    (同胞教会賛美歌六三六番)

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第一部 岩波文庫

エレミヤ書

10 偶像とまことの神

24 主よ、わたしを懲らしめてください

しかし、正しい裁きによって。

怒りによらず

  わたしが無に帰することのないように。

新共同訳『聖書』日本聖書協会

エレミヤ書

15 エレミヤの苦しみと神の支え

11 主よ、わたしは敵対する者のためにも

  幸いを願い

彼らに災いや苦しみの襲うとき

あなたに執り成しをしたではありませんか。

新共同訳『聖書』日本聖書協会

*1:ここはヒルティ引用の独訳によって訳した。邦訳聖書の言葉とは著しくちがっている。(訳者注)