蜀犬 日に吠ゆ

1901-01-20

[][]一月二十日 私は神とキリストを信じることが はてなブックマーク - 一月二十日 私は神とキリストを信じることが - 蜀犬 日に吠ゆ

眠られぬ夜のために〈第1部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第1部〉 (岩波文庫)

一月二十日

 しかしあなたはおそらくこう言うであろう――私は神とキリストを信じることができない、私の悟性がそのような形而上的直感に反対する、と。たしかに、そのどちらも本当であろう。けれども、あなたと、そのような超感覚的思想の世界を隔てるものは、悟性ではなくて、なによりもまず、それとは別種の心の傾向である。悟性の役目は、意志がすでに決心したものを是認するだけである。逆の場合には、われわれは悟性のためらいなど、いつでものり越えて進むであろう。

 だから、聖書は、罪は人間の破滅であると言っている。しかし、罪とは、神を思う心と両立しないすべての心の傾向のことである。

 それがあなたとあなたの幸福とをへだてている。まず、このことを信じ、それをさがし出して、とり除きなさい。そうすれば、信仰はかなり容易に、しかも全くひとりでにやって来る。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第一部 岩波文庫