蜀犬 日に吠ゆ

1901-06-20

[][]六月二十日 内的生活においては鉄をきたえる場合と はてなブックマーク - 六月二十日 内的生活においては鉄をきたえる場合と - 蜀犬 日に吠ゆ

眠られぬ夜のために〈第1部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第1部〉 (岩波文庫)

 内的生活においては、鉄をきたえる場合となり行きがよく似ている。内的人間もくりかえし、時おり火の中に入れられ、それから槌で急激に打ってきたえられねばならない。これによって、彼はしだいしだいに神の欲する形をそなえ、神の目的に役立つものとなる。

 なお次のことも鉄をきたえるのとよく似ていて、しかも同時に、非常に慰めを与えてくれる。すなわち、このような灼熱のなかできたえられたものは、いつまでも硬く、しかもよくしなうということである。これに反して、すべて自分だけの計画や努力には、なにか堅牢さが備わっていない。

 神は、神の聖霊を役立てたいと思う人びとにだけ、それを授け給うのであって、ただそれを所有して楽しむためには、与えられない。


   聖霊降臨祭の歌

  聖なるみ霊よ、恵みゆたかな霊よ、

  あなたを授けられ、いつまでも胸に抱く者はだれか。

  ああ、世俗に酔いしれたやからには、

  あなたの静けさが全く欠けている。


  あなたはいとも深くかくれ給いて、

  熱いまごころの者にのみ知られる。

  しかも、あなたは魂の故里から訪れる

  なごやかな春の朝のようだ。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第一部 岩波文庫