蜀犬 日に吠ゆ

1901-07-22

[][]七月二十二日 人はその働きによって はてなブックマーク - 七月二十二日 人はその働きによって - 蜀犬 日に吠ゆ

眠られぬ夜のために〈第1部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第1部〉 (岩波文庫)

 イスラエルの箴言の作者は言っている、「人はその働きによって楽しむに越した事はない。これが彼の分だからである」(伝道の書三の二二)。この言葉は、その昔と同じように、今日も全く真実であり、人間の創造についての最高の描写である創世記三の一九*1において、すでに述べられている。

 しかしながら、悲しむべきは、現代の大多数の人にとって、この喜びがただ働くことによってのみ与えられ、他に喜びのわき出るいかなる源泉も許されない事である。次の二つとも正しいとはいえない。すなわち、まず、働くことなしに地上の幸福を求めることである、これはおよそ愚の骨頂だからである。つぎに正しくないのは、労働によってのみ幸福を見出さねばならぬということである、これは結局、働くように仕込まれ、強制的にそうさせられる家畜の生活にほかならない。どんなによく扱われている場合も、あの駄獣たちの悲しげな眼をよく見るがよい。その上で、そうあることがあなたやあなたの家族の運命としてよいかどうかを決めなさい。同胞教会讃美歌一〇三五番、六七二番。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第一部 岩波文庫

*1:「あなたは顔に汗してパンを食べ、ついに土に帰る……。」