蜀犬 日に吠ゆ

1901-09-23

[][]九月二十三日 パリサイ人や律法学者たちがキリストを非難して はてなブックマーク - 九月二十三日 パリサイ人や律法学者たちがキリストを非難して - 蜀犬 日に吠ゆ

眠られぬ夜のために〈第1部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第1部〉 (岩波文庫)

九月二十三日

 かのパリサイ人や律法学者たちがキリストを非難して言ったことを、いやしくもキリストの誠実な弟子たる者はだれもがみな経験しなければならない。さもなければ、まだキリストの弟子とはいえない。

 実生活においてしばしば、人びとがわれわれに敵対して、あるいは味方して行動するのは、彼らが自由にそうするわけではなく、彼らを通じてわれわれに働きかけようとされる神の道具にすぎないことに気づいて、慰められる場合がある。だから、やれ敵だ、味方だと決めてかかるのは、たいてい、あまり大仰にとりすぎることになる。

 最初の青年期を終えたばかりの、自然のままの人間の心にはすべて、経験の結果として、人間一般に対する根深い怒りの核がひそんでいる。これは神の恵みを通じて残らず摘出されねばならない。その後に初めて、われわれはキリスト者となるのである。

 ルカによる福音書六の一九―三八、同胞教会讃美歌二八二番。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第一部 岩波文庫