蜀犬 日に吠ゆ

1901-10-23

[][]十月二十三日 朝、目がさめて直ぐ はてなブックマーク - 十月二十三日 朝、目がさめて直ぐ - 蜀犬 日に吠ゆ

眠られぬ夜のために〈第1部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第1部〉 (岩波文庫)

 朝、目がさめて直ぐ、今日もまた自分が負わねばならぬ十字架のことを思うと、それが自分にはあまりにも重いように思われることがしばしばあろう。また、その日に、さらに将来に、どんなことが一体起こるかを想像すると、すべての感情のうちで最も不愉快な恐怖感に容易におそわれることがあろう。

 しかし、今日もわれわれを目ざめさせてくださった神の恩寵を思い、また神の国のために果すべき奉仕について考えるならば、活動的な人間は、そのために自分がなすことができかつ許されている事柄を心に描いて、喜びの感情がわき起こり、それが一日中持続するであろう。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第一部 岩波文庫