蜀犬 日に吠ゆ

1901-10-25

[][]十月二十五日 悪意にみちた中傷や誹謗をさんざん はてなブックマーク - 十月二十五日 悪意にみちた中傷や誹謗をさんざん - 蜀犬 日に吠ゆ

眠られぬ夜のために〈第1部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第1部〉 (岩波文庫)

 人は人生のある時期に一度悪意にみちた中傷や誹謗をさんざん忍ばねばならなかったなら、その後は、他人の賞めあげる言葉などをほとんど受けつけなくなる。このような魂の汚れは、ばら香水によっては、もはや洗いおとせない。魂を立ち直らせる神の正義の火のみが、それを焼き払うことができる。

 いずれにせよ、たいていはどうせつまらない人間の賞讃などは、悪意がやけつくような矢を射こみ、ほとんど消しがたい傷痕を残してしまった心の深層までは、もはや徹らないのである。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第一部 岩波文庫