蜀犬 日に吠ゆ

1901-11-13

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眠られぬ夜のために〈第1部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第1部〉 (岩波文庫)

 マルコによる福音書一五の二九*1。「通りかかった者たち」がイエスをののしった。この言葉は、私の生涯のとくに苦しい時期に私のこころをとらえたが、それは「通りかかった」という言葉にアクセントをおくという独特の読み方であった。実際、今日でもなお、イエスと彼につき従うものをののしるのは、ただ通りかかりの人たち、つまり、彼らの存在も活動もほんの一時的で、たちまち消え去る人たちに限るのである。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第一部 岩波文庫

*1:「そこを通りかかった者たちは頭を振りながら、イエスをののしって言った。『ああ、神殿を打ちこわして三日のうちに建てるものよ、十字架からおりて自分を救え。』」