蜀犬 日に吠ゆ

1901-12-04

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眠られぬ夜のために〈第1部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第1部〉 (岩波文庫)

 未来のことや、そればかりか、この世の終わりについて、いろいろと考えるのは、全然むだである。というのは、だれ一人、それについてただおおよそだけの見積りも、予想もできないからである。キリストでさえそれは知ることができなかった(マタイによる福音書二四の三六*1)。このように分からないものであり、使徒パウロの預言も誤っていたということは(テサロニケ人への第一の手紙四の一七*2)、さらに劣った人間であるわれわれに対する一つの戒めであろう。およそ、われわれが配慮し、熟考すべきことは他にいくらもある。未来のことを思いわずらうのは、われわれに命じられた事柄ではない。われわれにとっては、マタイによる福音書二八の一八―二〇*3のイエスの言葉だけで、全く十分である。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第一部 岩波文庫

*1:「その日、その時は誰も知らない。天の御使たちも、また子もしらない、ただ父だけが知っておられる。」

*2:これから生き残っているわたしたちが、彼らとともに雲に包まれて引き上げられ、空中で主に会い、こうして、いつも主と共にいるであろう。」

*3:「わたしは、天においても地においても、一切の権威を授けられた。それゆえに、あなたがたは行って、すべての国民を弟子として、父と子と聖霊との名によって、彼らにバプテスマを施し、あなたがたに命じておいたいっさいのことを守るように教えよ。見よ、私は世の終りまで、いつもあなたがたと共にいるのである。」