1901-12-06
■ [書留][ヒルティ]十二月六日 主にたより、主を頼みとする人は 

- 作者: ヒルティ,Carl Hilty,草間平作,大和邦太郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1973/05/16
- メディア: 文庫
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十二月六日
「おおよそ人を頼みとし肉なる者を自分の腕とし、その心が主を離れている人は、呪われる。おおよそ主にたより、主を頼みとする人はさいわいである。
彼は水のほとりに植えた木のようで、その根を川にのばし、暑さにあっても恐れることはない。
その葉は常に青く、日照りの年にも憂えることなく、絶えず実を結ぶ」(エレミヤ書一七の五・七・八)。
この言葉は、最初考えるよりも、多くの真実をふくんでおり、これを信じる者はさまざまの悲しい人生経験を味わわなくてすむ。すくなくとも私は、これまでの生涯で、人間をあまり頼りとしたときは、そのつど、まもなくその支柱をとりはずされてしまった。これに反して、神への信頼が十分であったとき、それが裏切られたという場合を、私は一度も思い出すことができない。同胞教会讃美歌一七三番―一七六番。
このことがほんとうに信じられるようになるには、長い時間がかかる。そして、それができる前に、人生はほとんど終わりかけている。しかし、そのとき初めて人間を真に愛しはじめる。それまでは、多かれ少なかれ彼らを恐れるだけである。
ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第一部 岩波文庫
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