蜀犬 日に吠ゆ

1901-12-07

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眠られぬ夜のために〈第1部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第1部〉 (岩波文庫)

 事の大小にかかわらず、われわれは倹約でなければいけない。しかし、これは贅沢をすることが、必要な物さえ持たぬ多くの人たちに対して一つの不正であるという理由からだが、また、倹約によって十分なほどこしができるようにするためでもある。

 その他の理由から、さらに一般にあまり勘定ずくでなされる倹約はすべて貪欲になりがちである。貪欲という精神的傾向は、神に最も似つかわしくなく、神に一番嫌われ、あらゆる悪徳のなかで、おそらく神の霊を最もよせつけないものであろう。したがって聖書は、これを一切の悪の根と呼んでいる。

 ルカによる福音書一二の一五―二〇・二九―三四、テモテへの第一の手紙六の六、ヘブル人への手紙一三の五・六、ダンテ『神曲』地獄篇第一歌四九―六〇行、煉獄篇第一九歌、歴代志下二五の八・九。

 スパージョンは言っている、「神の子らが、神からゆだねられた資力をもって彼らの務めを果たそうとしない場合、神はしばしば、彼らが破産銀行の株主になることを許される」。文字どおりこのような結果になることが実に多いものだ。しかしこういう場合には、詩篇二三篇、一二七篇、一二八篇などの言葉が心に安らぎを与えてくれる。

 だから、あなたがそれでもなにか贅沢というものをしてみたければ、「力以上の施しをする」のが、最も立派な、しかも最も無害な贅沢である。コリント人への第二の手紙八の二・三。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第一部 岩波文庫