蜀犬 日に吠ゆ

1901-12-15

[][]十二月十五日 神の約束というものは はてなブックマーク - 十二月十五日 神の約束というものは - 蜀犬 日に吠ゆ

眠られぬ夜のために〈第1部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第1部〉 (岩波文庫)

十二月十五日

 神の約束というものは、すでに聖書のなかで万人に与えられている約束はもとより、われわれがとくに自分の内部に深く感じたみ言葉(それはほとんど聞き取れない言葉のこともあれば、はっきりした言葉のこともある)を通じて受けとる約束ならばなおさらのこと、人間が自分でそのために何もしなくても、ひとりでにその約束が実現されるというものでは決してない。神の約束は、第一に、それが確実で信頼できるものだということを固く信じて受け取られねばならない。次には、それを実現するのに必要なすべてのことが、われわれ人間の側からもなされなければならない。

 とりわけ、その場合、しばしば忍耐が大いに必要になってくる。われわれは、「神のみ旨を行って約束のものを受けとるため、あなたがたに必要なのは、忍耐である」(ヘブル人への手紙一〇の三六)という声を、しばしばはっきり聞く。それにもかかわらず、神がわれわれの上に定められたことは、(時には、それに困難や苦痛や窮境が伴ったり、伴わなかったりするにせよ)おそかれ早かれ必ず実現するのである。神の約束は決して変わらないが、われわれの態度しだいで、その実現はより容易にも、困難にもなるのである。

 民数記一四、ヨシュア記二一の四五、ヘブル人への手紙五の一五、六の一五、一〇の三二―三九、一二の一一。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第一部 岩波文庫