蜀犬 日に吠ゆ

1901-12-18

[][]十二月十八日 全く善い人でありながら はてなブックマーク - 十二月十八日 全く善い人でありながら - 蜀犬 日に吠ゆ

眠られぬ夜のために〈第1部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第1部〉 (岩波文庫)

十二月十八日

 全く善い人でありながら、まだ勉強して内的に生長すべき時に行動したがったり、反対に、読書や信心祈禱をすっかりさし措いても行動しなければならない時に、安息や瞑想にあこがれたりすることによって、一生をだいなしにする人が少なくない。

 「信心祈禱(アンダハト)」ということは、およそ危険な言葉である。それは、この世の生活にまだ深く埋まっている魂の一時的な昂揚にすぎない。しかし、人生のある時期が終ると、絶えず変りなく神の近くにある段階に達する。この段階は、うわべはずっと敬虔でないように見えるが、しかし内的生活のはるかに高い段階なのである。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第一部 岩波文庫