蜀犬 日に吠ゆ

1919-02-03

[][]二月三日 愛のとりわけありがたい点は はてなブックマーク - 二月三日 愛のとりわけありがたい点は - 蜀犬 日に吠ゆ

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

 愛のとりわけありがたい点は、ただ愛し返されることだけでなく(これは、その愛がいくらか永続きし、また強いものなら、ほとんどつねに起ることだが)、それよりもむしろ、愛することで自分自身が即座に強められ、活気づけられることである。愛は、それがなければあまりにも冷ややかなこの世にあたたか味を添えるもので、それだけでもすでに一つの幸福である、さらに愛から生じる一切のよきものを度外視しても。愛はまさに魂のいのちであって、愛をすっかり捨てさる者は、その魂をも失うことになる。これは永遠につぐないがたい損失である。

 魂を失った人は生きつづけることができない、現世の生命ばかりか、未来の生命をも失ってしまう。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第二部 岩波文庫