蜀犬 日に吠ゆ

1919-02-10

[][]二月十日 人生の意義は、この人生をば、ますます はてなブックマーク - 二月十日 人生の意義は、この人生をば、ますます - 蜀犬 日に吠ゆ

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

 人生の意義は、この人生をば、ますます高い目標を追って進むこの次の存在のための学校だと見なさないかぎり、どんな哲学や宗教によっても、十分明らかにはされない。つまり、この学校時代にわれわれは、この地上ではまだわが身につきまとう動物的なものを、肉体とともに最後にすっかり脱却して、自由な精神的存在となる用意をしなければならないのである。実際、人間の魂の最奥の願いもやはりそれを目指しているのだが、これに反対するのは悪の力であり、それはあらゆる手段を用いて、ほかならぬ人間のそのような完成を妨げようとするのだ。ところで、この地上生活を終る時に、肉体なしに霊的生活をつづけうるほどにまだ十分霊化されていない人びとや、それどころか、精神を失ってただの物質になりさがった人たちは一体どうなるのか、われわれにはわからない。福音書でさえも、これについては明らかにされていない。けれども望ましいのは、彼らがいずれもう少し厳格な「補習過程」に入らねばならないにしても、とにかく、もう一度この学校をくり返すことができることだ。

 ルカによる福音書二一の三六、二〇の三五・三六。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第二部 岩波文庫