蜀犬 日に吠ゆ

1919-02-11

[][]二月十一日 人生の目的と目標は はてなブックマーク - 二月十一日 人生の目的と目標は - 蜀犬 日に吠ゆ

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

 人生の目的と目標は、正統信仰(オートドクシー)に到達することではない。この点では、宗教改革時代もはなはだしく誤っていた。そうではなく、それは善き人間となること、すなわち、できるだけ実際に神の近くにあるという偉大なことにある。たしかに、真のキリスト教徒こそは、そこに到る最も近い、最もよい道であり、それのみが本当に神のみこころにかなう、しかも歴史的に与えられた道である。

 哲学的な人たちや、また私の経験によれば、ユニテリアンの信者やいわゆる「改革主義者」なども、このような結論に達することははるかに困難である、もっとも、神の恩寵はどんなことでもなしとげうるにちがいないが。

 われわれ人間の思想体系などは、神のはたらきにとってはなんの障害でもない。神の霊のいぶきが一瞬にして破りうるくもの巣にすぎない。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第二部 岩波文庫