蜀犬 日に吠ゆ

1919-02-12

[][]二月十二日 使徒時代に示された霊的な諸能力は はてなブックマーク - 二月十二日 使徒時代に示された霊的な諸能力は - 蜀犬 日に吠ゆ

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

 最初の使徒時代に示された霊的な諸能力は、現代でもなお、たしかに存在している。それは、一時優勢をつづける唯物論的時代思潮のために、ただいくらか後退したというだけである。ところで、こういう能力をもつ人びとは、みずからよくそのことを知っており、他人もまた彼らに接すれば本能的にそれを感じて、欺かれることがない。ただし、かような霊的諸能力は、いたずらに持っているのでなく、実際に活用されねばばらない。あなたがたが願っている教会の改新もこの能力に基づいて生まれるもので、教会会議や牧職会議によって、あるいは組合や小教会制によって実現されるのではない。多数の人びとの内に、このような霊的能力が存在しないならば、あらゆる努力も無益である。

 これらの能力のうち最上のものは(もしその間に差別をつけようとするなら)、神に聞きいれられる祈りの能力である。なぜなら、この能力はその他の力、たとえば病気の治療、罪の赦し、未来の予知などの力をも含むからである。実際、これらの諸能力もまた、ひとり神から、そして祈りに対してのみ、授けられるもので、決して自分自身の、ただその時かぎりの力に基づくのではない。これと異なる意見をいだく人、あるは、そのような能力を用いずともひとかどのことがなしとげられると信じている人は、大いに誤っている。また、何かほかの、この世の宝をこの霊的能力と同列に置いたり、これよりまさっていると考える者も、同じように誤っている。そういう人は決してこの賜物を受けることもなく、また長く保有することもできないであろう。

 ルカによる福音書一六の一一―一五、一一の三六、一〇の六・一九、一七の六、ヨハネによる福音書一一の四一・四二。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第二部 岩波文庫