蜀犬 日に吠ゆ

1919-02-14

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眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

 信仰のあつい人びとは、当然最も勇気ある人でなくてはなるまい。なぜなら、彼らは神から普段の援助の数しれぬ約束を与えられているからだ。他の人がみな気おくれする場合でも、信仰者がいぜんとして心の平安を保っているならば、それこそキリスト教の最も効果のある説教となろう。ところが、いかんながら、キリスト教は、涙もろい、無気力な、まさに(パウロの言うように)「土の器*1」に入ることがあまりに多い。だが、そういう者は、ほとんど人を惹きつける魅力を備えていない。かようなキリスト者は、さらに経験を重ね、他人への同情を養うために、ぜひとも苦難をなめなければならない。それでも彼らが絶えず哀れっぽく嘆きつづけるならば、神はついに彼らの務めを解くであろうが、それこそ、彼らの身に起りうる最悪の事態である。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第二部 岩波文庫

*1:コリント人への第二の手紙四の七(訳者注)