蜀犬 日に吠ゆ

1919-02-22

[][]二月二十二日 愛に対しては、ひとはただいつも はてなブックマーク - 二月二十二日 愛に対しては、ひとはただいつも - 蜀犬 日に吠ゆ

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

 愛に対しては、ひとはただいつも心を開いていさえすればよい。愛は神の霊としてこの世界に満ちみちている。ところがわれわれは、愛に対してわれわれの心を閉ざす力をも持っており、長い年月の習慣からと遺伝的素質の結果、たえず多かれ少なかれ、愛を拒んでいる。われわれは愛を学び、練習しようと努力する必要はない。ただ誤った哲学や狭い享楽欲によって、愛に対して心を閉ざしさえしなければよいのである。愛はいかなる瞬間にも、われわれの心を満たし、そのほかのすべてをそこから追い払おうと用意している――それが実現すれば、その結果として、世界苦とこの世の不安とは消え去り、生きる喜びがわいてくる。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第二部 岩波文庫