蜀犬 日に吠ゆ

1919-03-09

[][]三月九日 たしかにいささか張り切りすぎ はてなブックマーク - 三月九日 たしかにいささか張り切りすぎ - 蜀犬 日に吠ゆ

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

 たしかにいささか張り切りすぎた人間がいるもので、彼らは単純なキリスト教では満足できない。もっとも、たいていかれらはキリスト教を正しく評価しよう――完全に理解しようという骨折りをおしんでいるからにすぎないが。そこで彼らは、カトリックならば修道会や修道院に、またわれわれプロテスタントならば小会派(セクト)や小集会など、彼らのすっかりお気に入りの所を求めざるをえないし、また実際、それを見出すことも多い。だが、そのようなことは、われわれが完全に「善くなる」ためには、すこしも必要なものではない。「聖職者階級(クレールス)」、すなわち、この意味での人間のなかのエリートなどは、もともと現実に存在するものでなく、また、これまでも決して存在しなかった。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第二部 岩波文庫