蜀犬 日に吠ゆ

1919-03-21

[][]三月二十一日 ほんのもう少しの はてなブックマーク - 三月二十一日 ほんのもう少しの - 蜀犬 日に吠ゆ

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

 ほんのもう少しの辛抱だ。「光は正しい人のために現われ、喜びは心の正しいもののためにあらわれる」(詩篇九七の一一)。

 忍耐づよくあれば、たいていはほんの三日くらいですむ。忍耐がなければ、もう少し長くつづくだろう。よく堪えぬいた試煉は、もう二度とくり返す必要がない。だが、そうでない試煉はまたやって来る。そこで賢明な人は必ずこう言うにちがいない。「一度はどうしても避けられないのだから、今それを十分に、徹底的にやり抜こう。そうすれば永久にそれから自由になれるのだ。」とりわけよくないのは、神自身がついに、もはや改善の見込みのない意気地なしどもに手をかけるのをやめて、その後は彼らののぞみ通り「生の享楽をつくす」にまかせることである。そうすると、彼らは、それを「幸運をつかんだ」などと呼んだりする。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第二部 岩波文庫