蜀犬 日に吠ゆ

1919-03-23

[][]三月二十三日 だれでもみな自分のものとすることができる聖約 はてなブックマーク - 三月二十三日 だれでもみな自分のものとすることができる聖約 - 蜀犬 日に吠ゆ

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

 イザヤ書四九の一五*1は、だれでもみな自分のものとすることができる聖約であって、その人が神に対して誠実でいくらか辛抱づよければ、聖約に欺かれることはないであろう。実に多くの人びとがそれによって慰められ、また、それに助けられて生涯の苦難の時を切り抜けてきた。どうしてあなたもそうありえないことがあろうか。しかし、あなたがそれをしたくないというのなら、あなたのお気にいりの哲学者か、詩人か、それとも音楽家に、人生のあらゆる苦難の時に助けてもらうのがよい。なお一層不徹底なことは、神とスピノザやダーウィンとを、その時どきの気分に応じて、交互に信じることである。しかも、これが現代の教養ある人たちのあいだに普通見うけられる事柄である。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第二部 岩波文庫

*1:「女がその乳のみ子を忘れて、その腹の子を、あわれまないようなことがあろうか。たとい彼らが忘れるようなことがあっても、わたしはあなたを忘れることはない。」