蜀犬 日に吠ゆ

1919-03-29

[][]三月二十九日 危険な内容をもつステッドの著書の中に はてなブックマーク - 三月二十九日 危険な内容をもつステッドの著書の中に - 蜀犬 日に吠ゆ

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

三月二十九日

 全体としては幾分危険な内容をもつステッド(二〇世紀初めのイギリスの著名なジャーナリスト)の注目すべきある著書の中に、次のような言葉がある、「普遍的な完全な愛というのは、神の理想だ。たとえ不倫な愛であっても、それがあなたを自己からひき出して高めるかぎり、愛のない利己的な結婚生活よりも、あなたを天国に近づけるものだ。」これははなはだ剣呑な真理であって、とうてい教会で説教するわけにはいくまいが、それにもかかわらず、このような真理を、われらの主もまた理解された通りに、理解しうる人びとにとっては、やはり一つの真理にちがいない。ルカによる福音書五の三二、七の四七*1

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第二部 岩波文庫

*1:「わたしがきたのは、義人を招くためではなく、罪人を招いて悔い改めさせるためである。」「それであなたがたに言うが、この女は多く愛したから、その多くの罪はゆるされているのである。少しだけ許された者は、少しだけしか愛さない。」