1919-05-28
■ [書留][ヒルティ]五月二十八日 神は時おり自然の出来事や自然の事物を通して 

- 作者: ヒルティ,Carl Hilty,草間平作,大和邦太郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1973/08/16
- メディア: 文庫
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五月二十八日
神は時おり、自然の出来事や自然の事物を通して、私たちに話しかけることもある。これは現代の人びとにとって、まだしも一番早わかりのする言葉である。時には花を通しても、特に愛らしい話し方で語られる。しかし、いつも生気を欠く切り花や、温室で人工的に育てられた花を通して話されることはない。――ヴァンダル族*1のような、乱暴な女たちの手でどしどしむしり集められ、じきにしおれてしまうアルプスの花は、ただ悲しい言葉しか語らない。
ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第二部 岩波文庫
*1:紀元五世紀にローマに侵入し文化を破壊したゲルマンの一種族。
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