蜀犬 日に吠ゆ

1919-06-20

[][]六月二十日 「地上の楽園」では、たしかに はてなブックマーク - 六月二十日 「地上の楽園」では、たしかに - 蜀犬 日に吠ゆ

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

 この書物に描かれているような「地上の楽園」では、たしかに人生のありふれた労苦や葛藤はもういくらか片付いてすんでしまっているように見えても、まだいろいろな困難のなごりが尾をひいている状態である――けれどもこれと異なった「地上の楽園」というものは、まず存在しない。それをたえずあらゆる脇き道にたずねてまわる者は、かえってそれを一番見出しえない人である。だから、この本に示されている道は、すでにある程度進歩した人びとのためのものである。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第二部 岩波文庫