蜀犬 日に吠ゆ

1919-07-12

[][]七月十二日 キリスト教文書に時おり示される偏狭さ はてなブックマーク - 七月十二日 キリスト教文書に時おり示される偏狭さ - 蜀犬 日に吠ゆ

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

 キリスト教文書に時おり示される偏狭さを恐れてはならない。これはもっぱら、読むことさえ学ばぬうちに書こうとした、これらの文書の著者たちの性急さにもとづいている。真理のみ霊は――それをあなたもいずれさとるであろうが――、世間の事柄にも大いに役に立つものである。というのは、この霊は世間の事柄のなかから真実なもの、有益なものを取り出して見せ、普通それとむすびつうきやすい虚偽なものと区別するからである。いや、それどころか、この霊はどんな仮面をも透して人びとの本当の顔を見抜いてしまう。だから、この霊を宿す人の前には、人びとのほとんど目立たぬ眼の表情のなかにさえ、しばあしば彼らの本当の顔が暴露せざるをえないものだ。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第二部 岩波文庫