蜀犬 日に吠ゆ

1919-09-07

[][]九月七日 キリスト教がほかのすべての宗教と はてなブックマーク - 九月七日 キリスト教がほかのすべての宗教と - 蜀犬 日に吠ゆ

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

 ある夢想家たち――気高い、というべきかもしれないが――は、いつかキリスト教が、ほかのすべての宗教とひとしく、その神秘的な、あるいはその重苦しい要素や形式をすっかりぬぎすてて、ついに真理と愛との純粋に精神的な直観に昇華するような時代がいずれくるだろうと想像している。しかし、人類はなんといってもまだそのような時代からは遠く離れているし、また、人間が部分的に肉体的なものから成り立っているかぎり、そういう状態に達する力はまだないといってよいであろう。このような状態は、来世の生活について考えられることで、そこでは宗教もいずれはきっと違った形式をとるであろうが(ヨハネの黙示録二一の二二*1)、しかし、この地上ではまだそれは考えられないことである。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第二部 岩波文庫

*1:「わたしは、この都の中には聖所は見なかった。全能者にして主なる神と小羊とが、その聖所なのである。」