蜀犬 日に吠ゆ

1919-09-09

[][]九月九日 愛のたねを蒔かねばならない はてなブックマーク - 九月九日 愛のたねを蒔かねばならない - 蜀犬 日に吠ゆ

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

 あなたは絶えず、そしてできるだけ多く、愛のたねを蒔かねばならない。あなたが学校教育を終えたのちは、それがあなたの生涯の仕事である。

 すべてのたねが芽を出すとはかぎらない。といって、すべてのたねが、石ばかりの地面に落ちて無駄になるわけではない。なぜなら、この世は切実に愛を求めており、世の中自身には愛がない場合でも、つねに愛を尊ぶであろうから。

 たねの蒔き方は、日に日にわかってくるというのが、一番よいやり方である。一旦そうしようという決心がつきさえすれば、また、生の享楽への欲念(これはひとのエネルギーをのこらず要求するものだ)が、もうあまり強くなりさえすれば、愛のたね蒔きの機会はいくらでも現われてくるだろう。

 だから、それをためしてみなさい。ためしてみること、着手することによってのみ、最も偉大な事柄も成就するものだ。それに、この場合は、神の助けがまちがいなく与えられる。というのは、神みずからが同じ目的を追求していられるからである。これからあと、あなたは共同の事業において神の助手であり、協力者である。ヨハネによる福音書八の一二、一三の三四、一四の一二―一五。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第二部 岩波文庫