蜀犬 日に吠ゆ

1919-09-19

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眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

 申命記四の三・四、七の九・一〇*1、八の二―五、一〇の一二・一三*2

 あなたの周囲を見まわし、知人たちの人生のあゆみを観察し、あなた自身の過去をふりかえって、果たして右の言葉のとおりであったかどうかをしらべてみるがよい。その上で、そのとおりだとわかったら、近代の進歩説――その説を信じる人びとの意見によれば、そんな「古い昔の事がら」など信じたいとは思わぬというのだが――このような説の饒舌からは、今後もはや、あなたの個人的な体験に大きな影響を受けまい、と決心するがよい。

 それとも、このような、いわゆる歴史的宗教の進化説は、その(聖書の示す真理)かわりに、どんな確信をあなたに与えるであろうか。そんな説を信じて、ただ辛うじて人生を凌いでゆくためにも、すでに、あなたはとりわけ恵まれた人間のひとりでなくてはなるまい。そういう生き方のために、すでにどんなに多くの人たちが人生に失敗したかを、あなたは見てきたではないか。それによって、いくらかでも幸福になるのは、ほとんど千人に一人もないであろう。しかもこの人がつねに幸福であるかどうか、たずねてみるがよい。詩篇七一篇。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第二部 岩波文庫

*1:「それゆえあなたは知らなければならない。あなたの神、主にましまし、真実の神にましまして、彼を愛し、その命令を守る者には、契約を守り恵みを施して千代に及び、また彼を憎む者には、めいめいに報いて滅ぼされることを。……」

*2:「イスラエルよ、今、あなたの神、主があなたに求められる事はなんであるか。ただこれだけである。すなわち、あなたの神、主を恐れ、そのすべての道を歩んで、彼を愛し、心をつくし、精神をつくしてあなたの神、主に仕え、また、わたしがきょうあなたに命じる主の命令と定めとを守って、さいわいを得ることである。」