蜀犬 日に吠ゆ

1919-09-20

[][]九月二十日 神への願いはしばしば はてなブックマーク - 九月二十日 神への願いはしばしば - 蜀犬 日に吠ゆ

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

九月二十日

 ダニエル書一〇の二―一三・一九―二一。神への願いはしばしばすぐには聞きいれられないか、あるいは、聞きいれられたことが、すぐにわれわれに知らされるとはかぎらない。このことがやがてわれわれの弱気の因(もと)ともなり、弱気が変じて不信仰にさえなりかねない。このように祈りが聞きいれられるのが手間どる理由は、必ずしもわれわれの眼前に明示されるわけではない。しかし、神のしもべの中に数えられうる人びとには、その辛抱づよい祈願がかならず、おそかれ早かれ、そして彼らにとって最もよい方法で、聞きとどけられるという十分な確信を、われわれは持ちつづくべきであろう。ちょうど大盤石の上に立つように、われわれはこの確信の上に立たねばならない。そうすれば、神はさしあたりわれわれを慰めるために、しばしば使者をおつかわしになる。それはたいてい普通の人間であるが、かならず適当な時期にやって来る。しかも、時としては、その人自身が忠言や助力や、祈願が聞かれるという確信を、われわれから与えてもらうためだったりする。わたしもみずからもたびたびそのようなことに出会ってきた。

 あなたが、もはや自分の力を信じることなく、つねに神の力を信じることができるようになったら、そのとき、あなたはすべてのことにおいて勝利を手中に収めているのである。なおその上、あなたは艱難をよろこぶ境地にまで達することができる。しかし、これはきわめて高い段階なのである。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第二部 岩波文庫