蜀犬 日に吠ゆ

1919-10-21

[][]十月二十一日 人間の天性が十分に「訓練」されて はてなブックマーク - 十月二十一日 人間の天性が十分に「訓練」されて - 蜀犬 日に吠ゆ

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)

 人間の天性が十分に「訓練」されて、ついにはすべての善をみずからすすんで、べつだん熟慮しなくても全く自然におこない、また、すべての悪にたいして嫌悪をおぼえるようになったら、それは、この世における最も正しいことであり、かつ、ひとが到達しうる最高の段階である。そうなれば、その人間はまさに神のみこころにかなったものであり、人間がこの地上でなりうるかぎりのものとなったのである。これが、われわれの地上生活の目標であり、そこにまでわれわれは達しなければならない。

 これこそが、世間の人に感銘を与えるただ一つのものである。というのは、そうなれば、この世の中のすぐれた人たちも、やはりその目標に到達したいと願うからである。

 これが、生れ故郷におけるわれわれの使命である。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第二部 岩波文庫